「ロボット業界で活躍する企業・人」に焦点を当てるRobotMateHubインタビュー。
今回は、ソフトウェア開発事業と教育事業の二本柱で成長を続ける、株式会社システムトランジスタ 代表取締役 高橋周矢氏にお話を伺いました。
元々は住宅販売の営業職だったという高橋氏。なぜIT業界へ転身し、起業に至ったのか?
リーマンショック直後の創業を乗り越えた「教育事業」の強みや、Pepperをはじめとするロボット開発で見えた「課題と未来」について、熱い想いを語っていただきました。
「非効率」への疑問がITへの入り口。自分の裁量で「楽しい」環境を作るために起業
ーーまずは、創業のきっかけについて教えてください。異業種からの参入だったそうですね。
当時の営業現場は、精神論や見て学べの環境で、評価は上司の好き嫌い、営業活動はチラシ配りに飛び込み、電話営業で数打ちゃ当たるの世界で本当に効率的なのか? 私はそこに疑問を持ち、自分のPCを持った頃からエクセルマクロを使ってを営業部の来場者対応数、予約獲得率、契約成功率など営業全員のデータ分析を行いました。
「誰がどの層に強いか」「どの営業手法が無駄か」「何を改善すべきか」などがデータとして可視化された結果、営業活動が改善され効率的な契約獲得が可能になりました。
この時、「システムとデータの面白さ」に気づいたのが全ての始まりです。「ITは人々をもっと幸せにできる」と確信し、職業訓練校に通ってIT業界へ飛び込みました。
ーーそこから起業を決意された理由は?
自分たちが楽しんで仕事をすれば、システムを使うお客様も喜んでくれる。そんな好循環を作ろうと、2009年に株式会社システムトランジスタを設立しました。
「楽しく!」こそが基本理念。ネガティブすらも笑い話に
基本理念:「楽しく!」
苦労や悲しいことは必ずあります。でも、乗り越えればあとは笑い話。だからネガティブな状況だって楽しんで行こう!
ーーシンプルですが、非常に力強い理念ですね。
創業はリーマンショックの直後。仕事がなく、8人で立ち上げたのに稼働しているのは4人だけ……という危機的状況からのスタートでした。それでも「生き抜く」ために泥臭い仕事も請け負い、なんとか初年度を乗り越えました。
会社の危機を救い、最強の採用装置となった「教育事業」
ーー創業時の危機をどう打開されたのでしょうか?
当時は失業者も多く、定員以上の受講生が集まりました。私がメイン講師となり運営することで、会社の収益源となっただけでなく、これが現在まで続く「人材育成・獲得」の強力なエンジンとなりました。
システムトランジスタの「強み」は人材の質
当社のエンジニアの9割は、この訓練校の卒業生です。
- 即戦力教育:日々の実務からのフィードバックを元に、常にカリキュラムをアップデート
- マインドセット:半年間の教育で人物像を把握し、IT業界のマインドも共有
- 圧倒的な定着率:入社後のギャップが少なく、退職者がほとんど出ない
人材不足が叫ばれるIT業界において、採用コストをかけずに優秀な人材をコンスタントに増員できる。これこそが、他社にはない私たちの最大の武器です。
ロボット開発のリアル。ハードウェアの進化を待ちながら、技術を磨く
ーーRobotMateHubの読者が気になる「ロボット事業」についてもお聞かせください。
例えば、120cmある大型ロボットでも、現実は厳しいものでした。
- 「24時間働けます」→実際はモーターが熱を持つため休憩(ク-ルダウン)が必要
- 「移動します」→わずか1cmの段差も乗り越えられない
- 「物を掴めます」→掴めるのは数グラム程度
- 「お話します」→応答が遅く、期待した答えが返ってこない
しかし、こうした制約の中で「ソフトウェア屋として何ができるか?」を考え抜いた経験は、私たちにとって大きな財産です。
ーー今後の展望は?
具体的な目標としては、「3年後に100人の技術者集団にする」こと。
数は力です。そして、新しい技術(AIやローコードなど)を武器に、次なるロボット事業の波が来た時に、全力で乗れる準備を整えています。
まとめ:未来へ向かって、考えることを止めない
最後に、読者へのメッセージをいただきました。
ロボットは人類の知識と技術の総結集です。まだ正解も出ていなければ、法整備も追いついていない未完成な分野です。
だからこそ、未来に向かって一歩一歩進んでいます。
「ロボットに対して、自分には何ができるか」
考えることを止めず、一緒に未来を創っていきましょう!
【取材協力】
株式会社システムトランジスタ
代表取締役:高橋 周矢 氏
URL:http://www.systra.co.jp
