2026年10月15日(木)、HirePlanner主催「Tokyo Tech Meetup × Career Event」(会場:港区立産業振興センター)にて、RobotMateHub株式会社 代表取締役の山本力弥が、フィジカルAI・ロボティクスをテーマとするパネルディスカッションに登壇しました。ご来場いただいた皆さま、主催のHirePlanner様、ご一緒した登壇者の皆さまに心より感謝申し上げます。
イベント概要
Tokyo Tech Meetupは、採用プラットフォームを運営するHirePlanner.comが主催する、テックカンファレンス・キャリアフェア・ネットワーキングを組み合わせたイベントです。エンジニア、データサイエンティスト、ITセキュリティ、テクニカルセールス、採用担当者、スタートアップ創業者など、グローバルに活躍する技術者・ビジネス職が集まります。
| イベント名 | Tokyo Tech Meetup × Career Event 2026 |
|---|---|
| 日時 | 2026年10月15日(木)14:00〜21:00 |
| 会場 | 港区立産業振興センター 11F(札の辻スクエア) 東京都港区芝5-36-4/JR田町駅・都営三田駅より徒歩圏 |
| 主催 | HirePlanner.com |
| 公式サイト | https://www.hireplanner.com/en/events/tokyo-tech-meetup |
登壇セッション
Session 4|Physical AI Panel Discussion
日本社会におけるロボットの未来:準備はできているか?
日本のフィジカルAIへのアプローチは、エンジニア・企業・社会にとって何を意味するのか
登壇者・進行
-
ファシリテーター
Mike Sudano 氏(Woven by Toyota シニア・ロボティクス・オペレーション・エンジニア/Robotics x Tokyo 共同創業者) -
共同ファシリテーター
前原 智也 氏(ソフトバンクロボティクスジャパン 独立系ソフトウェアエンジニア) -
登壇者
Yuki Beck 氏(4th.ai/Smart Implement, Inc. プロダクト戦略・エンジニアリング担当ディレクター) -
登壇者
Rang Luo 氏(Butlr Technologies 日本カントリーマネージャー) -
登壇者
山本 力弥(RobotMateHub株式会社 代表取締役 兼 創業者)
セッションで扱われた論点
「プライバシー」「感情的なつながり」「文化的な受容」の3つを柱に、日本におけるフィジカルAIの現状と今後について議論が行われました。
- 現状認識:この3〜5年で日本のフィジカルAI・ロボティクスは何が変わり、次に何が来るか
- プライバシーとデータ収集:センサーやロボットが実際に何を取得し、どう保存されるのか
- 感情的なつながり:ロボットの形態・声・振る舞いが人の愛着をどう生み、エンジニアやデザイナーにどんな倫理的責任を課すか
- 文化的な受容:マンガ・アニメ・神道など、日本独自のテクノロジーとの関係が社会実装にどう影響するか
- これから:日本は何に賭けているのか。ロボットが本当に社会に入るまでに何が必要か
山本が共有した主な視点
1. ヒューマノイドは「デモ」から「出荷される製品」へ
この1〜2年の最も大きな変化は、ヒューマノイドロボットがデモ段階を抜け、実際に出荷される製品になったことです。その出荷台数の大半は中国から出ています。RobotMateHubでは800社以上のロボット企業を継続的に追っており、今年は北京・深圳を視察し、中国メーカーの改良スピードを現地で確認してきました。
一方で日本の課題は、ハードウェアそのものよりも、ロボットを現場に導入し、運用できる人材が足りないことにあります。
2. データの扱いは「導入前」に合意しておく
教育機関やハッカソンの現場で学校側から最初に出る質問は、ロボット本体のことよりも「子どもが映るカメラ映像をどう扱うのか」が多いのが実情です。何を取得し、何を保存するかのルールは、導入後ではなく導入前に合意しておく必要があります。
3. 愛着は実際に生まれる。だから「引退の日」まで計画する
RobotMateHubの調査(n=125、Hexagon社の9カ国平均と比較)では、ロボットに任せるときの見た目について、日本の回答者の56%が「どちらでもよい」、25.6%が人型、18.4%が機械的な見た目を選びました。人型を選んだ割合は世界平均(22%)より高い結果です。
人型・四脚ロボットの導入に長く関わってきた経験から言えるのは、ロボットへの愛着は確実に生まれるということ。ロボットを運用する企業は、その機体を引退・入れ替えする日のことまで計画しておく必要があります。
4. 日本は受容度が高い。説得が難しいのは「運用・安全の責任者」
日本はアトムやドラえもんのように「友だちとしてのロボット」とともに育ってきました。当社の調査でも、工場・倉庫でのロボット受容は日本89.6%と、世界平均の63%を大きく上回っています。
ただし、実際の導入現場で最も説得が難しいのは一般の人ではなく、運用と安全の責任を持つ担当者です。ここをどう越えるかが、社会実装の実務上の論点になります。
5. 2030年に向けて:「作る力」より「導入・運用する力」
2030年には、物流や施設運営の定型業務でヒューマノイドが働いている、と山本は見ています。会場のエンジニアの方々へのメッセージは、ロボットをゼロから作る力よりも、現場に導入して運用する力の方が、これから価値を持つということ。RobotMateHubがハッカソンやR検定を運営しているのは、そのためです。
当日ご紹介したRobotMateHubの取り組み
セッションでは、ロボット業界に特化した人材育成・情報プラットフォームとしてのRobotMateHubの取り組みもご紹介しました。
R検定(ロボット検定)
G検定がAIリテラシーを証明するように、R検定はロボットリテラシーを証明する検定です。フィジカルAIパスポート/ロボプロ/スペシャリストの3レベル構成で、合格者は会員プロフィールに反映され、企業から直接スカウトを受けられます。
ヒューマノイドハッカソン
実機のUnitree G1を動かすハッカソンを各地で開催・運営しています。今後は渋谷(Humanoid Hack Tokyo 3 共催/10月31日〜11月3日)、大阪(ウイルテック フィジカルAIハッカソン 主催/11月14日〜15日)、北九州(北九州フィジカルAIハッカソン 運営/11月28日〜29日)を予定しています。
コミュニティ・法人向け研修
Discordコミュニティではフィジカルロボットの学習コンテンツを提供。法人向けには、Unitree G1を用いたヒト型ロボットアプリ開発研修(3ヶ月・全12回)や、フィジカルAI事業立ち上げ支援を行っています。
登壇者プロフィール
山本 力弥Rikiya Yamamoto
RobotMateHub株式会社 代表取締役 兼 創業者
アクセンチュアで製造業向けコンサルを経験後、ロボット業界へ。現在はロボット業界特化の人材育成・情報プラットフォーム『RobotMateHub』を創業・運営し、ヒューマノイドの社会実装やフィジカルAIの最前線、日中ロボット産業の比較を軸に国内外で発信。ハッカソンの主催や、140近い教材を提供するコミュニティの運営を実施している。現場経験と産業分析を組み合わせた独自の社会実装メソッドを構築。経産省AIガバナンスガイドライン策定にも参画。ソフトバンクロボティクス時代には、人型ロボットや四脚ロボットの法人・個人向け導入等を推進。
おわりに
グローバルな技術者・ビジネス職が集まる場で、日本のフィジカルAIの現状と人材の課題について議論できたことは、RobotMateHubにとっても大きな機会となりました。改めて、主催のHirePlanner様、ファシリテーターのMike Sudano氏・前原智也氏、登壇者のYuki Beck氏・Rang Luo氏、そしてご来場いただいた皆さまに感謝申し上げます。
RobotMateHubでは今後も、登壇・ハッカソン・検定・研修を通じて、ロボット人材の供給インフラづくりに取り組んでいきます。講演・パネル登壇のご依頼、イベント連携のご相談は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
講演・登壇・イベント連携のご相談

