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フィジカルAI/ロボット業界に特化した人材育成・マッチングプラットフォーム「RobotMateHub」の代表・山本力弥が、YouTubeチャンネル「donut AI アカデミア」に出演しました。ドーナッツ ロボティクス株式会社の林 裕一郎氏とともに、「日本製ロボットの未来とは?」をテーマに、この10年の変化、20年後のロボット、用途ごとの最適な形、AIと教育、日本発のグローバル展開について対談しています。本記事では、動画本編とあわせて対談の要点をまとめます。
この対談の要点
- この10年で、ロボットは「仕事を奪う存在」から「一緒に働く仲間」へと受け止め方が変わってきた
- 20年後は予想できない。ただし、ロボットが自律的に動いて新しい価値を生む時代への期待は大きい
- ロボットの形は用途ごとに最適解がある。日本の細やかさを起点に、世界共通の課題へ向かう
対談動画
動画が表示されない場合はYouTubeで直接ご覧ください。
出演概要
- 番組名
- donut AI アカデミア(YouTube)
- 動画タイトル
- 「日本製ロボットの未来とは?」ゲストは「あのロボットの事業責任者」山本力弥さん
- 運営
- ドーナッツ ロボティクス株式会社
- 主なテーマ
- 日本製AIロボット/20年後のロボット/ロボットの形/AIと文化・教育/グローバル展開
- 出演
- 林 裕一郎 氏(ドーナッツ ロボティクス株式会社 CTO ※出演当時)
山本 力弥(RobotMateHub 代表/一般社団法人ビジネスAI推進機構 代表理事)
進行:阿部 菜渚美 氏 - 視聴方法
- YouTubeで公開中
「donut AI アカデミア」は、最先端のAIから身近なAIまでを取り上げ、「AIの現在地」を伝えるYouTube番組です。ヒューマノイドロボットを開発するドーナッツ ロボティクス株式会社が運営しています。山本は前回の「最新AIロボット何が凄い?」に続くゲスト出演です。
番組内で山本は、ドーナッツ ロボティクスと仕事を共にしていると述べています。同社については、エンジニアリングに長けたメンバーとビジネスに長けたメンバーが揃い、大きなビジョンを語るリーダーがいる点を魅力に挙げました。
動画の主なチャプター
時刻をクリックすると、YouTubeの該当箇所から再生できます。
以降のチャプターは、YouTubeの概要欄でご確認いただけます。
対談ハイライト
この10年で変わった、人とロボットの関係
対談は「日本製AIロボット」という切り口から始まります。山本がまず挙げたのは、ロボットを目にする機会の変化です。人型ロボットをはじめ、ロボットは以前から数多く存在していました。しかし、配膳ロボットが多くの飲食店で使われるようになったことで、毎日のように見かける存在になりました。
山本によると、この10年でロボットを開発する人だけでなく、ロボットと一緒に働く人が大きく増えました。10年前は「ロボットに仕事を奪われるのではないか」という不安を持つ人が多かった一方、現在は「一緒に働く仲間」や「癒やしてくれる存在」として受け止められるようになってきた、というのが山本の見方です。
林氏はこれを受けて、ロボットが世の中に増えたことでデータが蓄積されたと整理しています。価値があると考えられていたのに実際にはなかった点や、想定していなかったところにある価値が見え始めてきた、という指摘です。
20年後のロボットは「予想できない」
「20年後のロボットはどうなっているか」という問いに、林氏は「予想ができない」と率直に答え、10年後や5年後にも起こり得る変化として話を進めました。
山本も、ChatGPTが広く使われ始めた2023年からの進化の速さを踏まえ、20年後は正直わからないと述べています。そのうえで、ロボットが自律的に動き、新しい価値を生み出す時代は、少なくとも20年後には来ているのではないかという期待を語りました。
対談では、ロボットの数が人口を大きく上回る可能性や、ハードウェアを自由に組み替えられることがロボット自体の進化を速めるという見方も示されています。
ロボットの形は、用途ごとに最適解がある
どの時期に、どんな形と機能のロボットを提供すべきか。この問いに対して山本は、正解がある議論ではないと前置きしたうえで、業界やユースケースごとに最適な形が出てくると述べています。
例に挙げたのが配膳ロボットです。配膳ロボットの価値は、たくさんの皿を一度に運べる点にあります。人型ロボットは万能だと考えられますが、同じ仕事をさせようとすると両手では足りません。手を増やせば、それはもう人型ではなくなります。配膳という仕事には、現在の配膳ロボットの形がおそらく最適だというのが山本の考えです。
林氏は、特化型のロボットが10台、何でもできるヒューマノイドが1台という組み合わせを例に挙げました。大量に運ぶ仕事は特化型が担い、おしぼりを1つだけすぐ届けるといった細かな対応はヒューマノイドが担う、という役割分担です。
ロボットは人型である必要があるのか
話題はロボットの見た目にも及びます。キャラクター性のある形や、一緒に遊んでくれるロボットというアイデアに対し、山本は介護の現場を例に挙げました。高齢の方がロボットと会話することで脳の活性化につながるケースがあるとしたうえで、若い頃に好きだったアイドルの姿をしたロボットのほうが、会話の時間が伸びるのではないかという見立てです。
林氏は、癒やし、母親、恋人、医師など、ロボットが担う役割は人間の形である必要があるのかと問いかけました。山本も、人と話すのが得意な人もいれば苦手な人もいるとし、かつて流行したファービーを例に、癒やしを与えるという役割には人型以外の最適解があり得ると応じています。
AIとフィジカルの次に加わる要素
AIとフィジカルのほかに、新しく加わる要素は何か。山本が挙げたのは「空気感」です。空気を読む力と空気を作る力は、ロボットが活躍するうえで定義していく必要があるとし、熱や匂いなど五感に訴える要素もテーマになり得ると述べました。
林氏は匂いの難しさを解説しています。視覚は光、聴覚は音という1種類の対象を扱えばよいのに対し、匂いは化学物質の数だけ受容体(センサー)が必要になります。カメラは人間の目を上回る性能を持つ場面もある一方で、匂いについては現状では大きな差があり、技術革新を待つ段階だと説明しました。
AIは文化と教育をどう変えるか
番組後半では、ドーナッツ ロボティクスの接客ロボット「cinnamon Guide」と一緒に考えた質問として、「自分で進化したAIは、文化や生活にどのような影響を与えるか」が投げかけられました。対談では、新しい文化が生まれる可能性や、SNSにAIの発言が混ざることで人の考え方が影響を受ける可能性が話題になっています。
教育について山本は、知識を得る手段が大きく広がったと指摘します。これまでは身近な大人から教わる範囲の中で育ってきたものが、AIによってその枠が広がるという見方です。林氏は、これまでの教育は良い先生や親に出会えるかという運に左右されてきたとし、AIを「ずっと隣にいる先生」と捉える視点を示しました。
山本はさらに、AIが一人ひとりに合った仕事や学びを示し、埋もれていた才能の開花を加速させる可能性に触れています。評価のあり方も、問いと答えで知識を確認する形から、何を考え、どう考え、何を生み出したいかを測る方向へ変わっていくだろうと述べました。
RobotMateHubも、学習コンテンツやR検定を通じて、フィジカルAI・ロボット業界で活躍できる人材の育成に取り組んでいます。
日本発ロボットのグローバル展開
最後のテーマは、ドーナッツ ロボティクスのシナモンシリーズのグローバル展開です。林氏は、世界のトレンドを見ながらも、日本人の細やかさを大事にしたいと述べました。まず日本で普及させ、その次に世界へ進むという段階を示し、アニメや漫画の良さにも言及しています。
山本は、ロボットが活躍できる場所を明確に定めることが必要だと述べました。世界共通の悩みを見つけ、それをロボットでどう解決するかを考えていけば、日本国内でも世界でも成功する道筋が見えてくる、という考えです。
ロボット事業に関わる方へ|対談から読み取れる3つの視点
対談の内容を、ロボット事業の企画・導入・運用に携わる方の視点でRobotMateHubが整理したものです。
形は用途から決める
配膳ロボットの強みは、多くの皿を一度に運べることです。人型が常に最適とは限りません。特化型と汎用型を組み合わせるという発想も示されました。
価値は現場のデータから見えてくる
ロボットが増えたことで、価値があると思われていたのに実際にはなかった点と、想定外のところにあった価値の両方が分かり始めています。
日本の細やかさから、世界共通の課題へ
日本の細やかさを強みに、まず国内で普及させる。そのうえで世界共通の悩みを見つけ、ロボットでの解決を考えるという道筋です。
日本の強みについては、山本が別のインタビューでも「ロボットを存在として受け入れる文化」「基幹部品の技術力」「高齢化社会という切実なニーズ」の3点を挙げています。詳しくはHumanoids Summitインタビューの対談レポートをご覧ください。
出演を終えて
AIとロボットの未来は、性能競争だけで決まらない。社会側の受容、運用、責任の置き方を含めて設計し、現場で使われ続ける形に落とし込むことが重要です。今回の対談が、ロボット事業に関わる方の判断軸づくりに役立てば幸いです。
RobotMateHub 代表 山本 力弥
山本は出演後、実務上の要点として「技術の前に、社会実装の設計が必要」とも述べています。導入の勝負所は、体験設計、運用設計、合意形成にあるという考えです。
対談テーマに関連する両者の取り組み
「日本製ロボット」という対談のテーマに関連する、両者の主な取り組みを紹介します。
ドーナッツ ロボティクス:ヒューマノイド「cinnamon 1」を発表
ドーナッツ ロボティクスは、2014年に福岡県北九州市で創業し、2016年に法人化したロボット開発スタートアップです。番組では、見守りロボット「cinnamon」と接客ロボット「cinnamon Guide」に続き、ヒューマノイドの開発が進んでいることが紹介されました。
同社は2026年1月、建築現場や工場などでの活用を想定したヒト型ロボット「cinnamon 1(シナモンワン)」を発表しました。報道によると、背丈は170センチメートル、重さは70キログラムです。公式サイトでは、現在は海外OEMの機体に自社製AIを搭載しており、将来的にはハードウェアとソフトウェアの双方を国産化する方針を示しています。
山本力弥:国際学会・国際会議での発信
- 2026.04国際学会「WeRobot 2026」(ベルリン)で「新ロボット三原則」を共同発表
- 2026.05「Humanoids Summit Tokyo 2026」に登壇。テーマは「Technically Ready, Socially Broken」
登壇実績の詳細は登壇・講演ページ、著書と論文は著書・論文ページに掲載しています。
出演者プロフィール
山本 力弥Rikiya Yamamoto
RobotMateHub 代表/合同会社ヤマリキエッジ 代表/一般社団法人ビジネスAI推進機構(BAAO)代表理事
ロボット業界歴11年。アクセンチュアでコンサルタントを務めた後、ソフトバンクロボティクスへ。人型ロボットの事業責任者として法人・個人への展開に携わり、四足歩行ロボットの日本市場導入(2020〜2021年)にも従事。現在は、フィジカルAI/ロボット業界に特化した人材育成・マッチングプラットフォーム「RobotMateHub」を運営している。BAAO代表理事として経済産業省のAIガバナンスガイドライン策定にも参画。著書に『ロボット共存時代の教科書』ほか。NewsPicks認定エキスパート。
林 裕一郎 氏Yuichiro Hayashi
ドーナッツ ロボティクス株式会社 CTO(出演当時)
生成AIの専門家。サイエンス系YouTubeチャンネル「イチゼロシステム」を運営。2002年よりIT関連事業を開始し、2016年より合同会社テンシステムにて研究開発を行う。(ドーナッツ ロボティクス公式サイトより)
よくある質問
- 対談動画はどこで視聴できますか?
- YouTubeチャンネル「donut AI アカデミア」で公開されています。本記事内の埋め込み動画からも視聴できます。
- どんな人におすすめの内容ですか?
- ロボット事業の企画・導入・運用に携わる方、AIとロボットの今後に関心のある方、AI時代の教育や人材育成に関心のある方におすすめです。
- 山本への講演・取材の依頼はできますか?
- 可能です。基調講演、パネルディスカッション、ワークショップ、対談・インタビューなどに対応しています。登壇・講演ページをご覧ください。
関連リンク・出典
- donut AI アカデミア『「日本製ロボットの未来とは?」ゲストは「あのロボットの事業責任者」山本力弥さん』(YouTube)
- donut AI アカデミア『最新AIロボット何が凄い?ゲストは「あのロボットの事業責任者」山本力弥さん』(YouTube)
- ドーナッツ ロボティクス株式会社 公式サイト(About Us)
- 日本経済新聞「ヒト型ロボ、言葉や身ぶり理解し行動 建築現場向けにAI新興が開発」
- 【対談レポート】代表・山本力弥がHumanoids Summitのインタビューに出演|フィジカルAIの未来を語る
RobotMateHubについて
RobotMateHubは、学習コンテンツ・R検定・マッチング・ハッカソン・Research・Consultingなどの事業を展開する、フィジカルAI/ロボット業界特化の人材育成・マッチングプラットフォームです。運営は合同会社ヤマリキエッジ(東京都渋谷区)。
ロボット事業の企画・導入・運用のご相談はコンサルティング、研修はフィジカルAI研修、講演は登壇・講演の各ページで承っています。
※本記事は、合同会社ヤマリキエッジ公式サイトで2026年2月24日に公開した記事を、RobotMateHubへの移管にあたり加筆・再構成したものです。対談内容は公開動画をもとに要約しています。林氏の肩書は出演当時、その他の情報は本記事の公開時点のものです。

